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【書評】すごい言語化 木暮太一著 ダイヤモンド社

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先日、ある企業からこんな依頼をいただきました。

「コンサルティング営業に有効な問題解決スキルの研修をしていただけないでしょうか?」

ありがたいお話です。
もちろん、お受けしますとお返事をしました。

最近多くの企業は「コンサルティング」「問題解決」という言葉が大変お好きなようです。

そんな折、手に取ったのがこの一冊。


読みながら、共感しまくりでした。

・なんて言ったらいいんだろう?
・自分の意見がすんなり言えない
・あいまいな指示やアドバイスでどうしたらいいか迷う
・相手の話を要約することができない

そう、多分私たちに足りないのって、一言で言えば「言語化」なんですよね。
ここでみんな悩んでいる。
見事に私の問題意識をぶち抜いてくれました。

もし言語化で悩んでいるなら、一読をオススメします。

は?言語化?とピンとこない人もいるかと思いますので、冒頭の一説を少しだけ引用しておきます。

ハーバード大学のジェラルド・ザルトマン教授によれば、人間の意識の95%は言語化されていないそうです。感覚は持っていても、95%は自分で認識できずに「なんとなくそう思う」レベルになってしまっているということです。
ぼくらは自分の感覚を言語化していません。だからぼくらは自分で望んでいるものを手に入れられない。自分の実力が発揮しきれない。

たった5%・・・
言葉として認識できているのが、5%なら、5しか見えていないのと一緒です。
認識できないものは存在していないのと同じだから。

そう、人生の多くの場面で「言語化がボトルネック」になっていたわけですね。

一方で、私たちは伸び代だらけなんだ、という希望的な解釈もできます。
あいまいな感覚を言葉にできるようになれば、望むものを明確にでき、かつどうすればいいのか目的も方法論も理解し、行動できるようになる。

言語化というひとつの能力を高めるだけで、色々な成果が変わる。
つまり人生が好転していくといえそうです。

さて、冒頭の依頼内容に立ち返ってみたいと思います。

・コンサルティング
・営業
・問題解決
・スキル
・研修

なんだか一見誰しも分かる言葉に感じますが、一つ一つの定義を確認していくとおそらく「何も伝わらない」言葉たちでしょう。

この言葉たちを聞いた人は、なんとなくふわっとイメージだけを持ちながらスルーします(多分)。定義がわからないものは、私たちは扱えません。
つまり「動けない言葉」なのです。

そして、職場や顧客とのやりとりの全ては言葉で行っているわけですが、同じような状況ってたくさんあるのではないでしょうか。

顧客満足、DX、コンプライアンス、価値、付加価値、コミュニケーションなどなど。

そうそう「活性化」「構築」も加えておきましょう。
大体、カタカナ用語と漢字の熟語が登場するとき、みんな実はよく分かっていません。

しかし、いちいち言葉ひとつに引っかかっていては仕事が前に進まない。
だから、私たちはなんとなくわかったつもりになるしかないのです。
そんな場面ばかりですもん。

「わかりました!」
1日何度も言いますよね。
でも、どう動いたらいいか「ちょっとよくわからない」のです。

まさに研修とは、通常できない「立ち止まって、いちいちみんなで考えていい時間」なんじゃないかと今回においてはそう定義したい。

書きながら、ほぼ本の内容には触れていないことに気づきましたが、一番印象に残ったのは、「言語化の目的とは、見えるようになること」という1行でした。

ここに私の問題意識につながる全ての本質が、詰まっている。
そう感じたのです。

情報化社会だからこそ、「自分は見えているのか、見えていないのか」を客観視することが大事になります。そして見えている側にシフトしていく努力と方法論が必要なんじゃないかと本書を読みながら深く考えさせられました。

著者の木暮さん。
本当に勉強になりました。
ありがとうございます。

年齢や職種問わず、ぜひ夏の読書リストに加えて欲しい一冊です。

 

 

 

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