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【書評】「妄想する頭 思考する手」暦本純一 祥伝社

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今日も世界中の何十億人という人たちが、スマートフォンの画面上で指を2本使いながら画面の写真やテキストを拡大・縮小したりしているだろう。
これを【ピンチング】という。

この元になった「スマートスキン」という技術は、なんとスマホが登場する前に発明されていたという事実。驚きです。

しかも、その発明をした人はなんと我らが日本人だった。

 

暦本純一さん
これまで発明特許を100件以上も取ってきた天才研究者。
東京大学大学院教授であり、
ソニーコンピューターサイエンス研究所副所長。

 

まあどこから見ても華麗な経歴です。
一言で「天才」。

 

そんな彼の著書「妄想する頭 思考する手」を読了。

 

天才の頭の使い方、
これからの時代に活躍できる思考法を示しています。

ズバリ本書の結論を端的に言えば「もっと妄想していこう」です。

閉塞感漂っているビジネスパーソンにとって、
先行き不透明な時代に不安を感じている人にとってヒントとなる一冊です。

読了後、なぜかわからないけど、私は勇気づけられました。
「それでいい。もっともっと妄想しようぜ」って^^

 

私の主観をバリバリに混ぜながら(笑)
本書のポイントを解説します。

 

妄想ウエルカム!

そもそも「妄想」とはどんな意味か?

広辞苑によると「みだりなおもい。正しくない想念」「根拠のない主観的な想像や信念」と出てくる。正直、ポジティブなニュアンスではない。

私の場合、妄想なんて中高生の時がもっとも盛んだった気がする。
大人になるにつれて、現実しか見なくなってくる。
それが大人なのだ、と誰かが言っていたような気がしないわけでもない。

 

ただ、暦本さんは言う。

そもそも今って未来の予測なんてできないでしょ。
なら「どんな課題を解決すべきか」なんてわからんやん。
んな真面目なやり方だけでは、イノベーションなんてできるわけないやんか。

あのな、もっと非真面目に考えていい。
それぞれ個人の抱く「妄想」が今の日本に必要なんだ。
ヤバい妄想、してる?

かなり意訳(関西風)。

でも、彼の言いたいことはシンプルなのです。

「妄想から始めよう。」

 


妄想ウエルカム!

今必要なのは、妄想なんじゃないの、と彼は言います。

常識の範囲内で考えて周りから「いいね」もらってそれで満足?
ブレイクスルーしてるの?

「違うだろ。」と。

 

一見、非常識で誰からも「いいね!」なんてされなくて、
でもその妄想を育んできたアイデアこそ、革新的な技術につながってきたんだよ、と。

第1章に暦本さんの主張はほぼ詰まっています。
時間がなければここだけでもいい。
わかりやすく、かつ刺激的なメッセージが展開されますから。

 

「妄想を許可します」

行間の随所から天才研究者の声が聞こえてくるでしょう。

 

 

言語化。頭ではなく手で考えよ!

妄想が大事。

そして、妄想をタネとして今度はカタチにしていく。
そのステップとして天才が大事だと主張するのが、

 

「言語化」

 

モヤモヤした妄想は言語化して整理する。

私の領域でもあるので、非常に興味深い章でした。

特に、
・WHAT(何をしたいのか)
・WHY(なぜやりたいのか)

この2点は絵とかビジュアルでごまかさずに、言語化しよう、という点。
確かに、と納得でした。


「クレーム=やりたいこと」は一行で書き切れ!

 

コンサルティングの世界ではイシューと呼んだりするものです。
「コレをしないと整理したことにならんで。」

大共感。

会社も商品サービスも、あらゆるアイデアを一行で整理する。
そこを起点に共感されたり、よりよく修正していけたりする。
でも、世の中多くのアイデアは一行に整理されていない。

 

そのために「手書きせよ!」とは本書の中では書かれていないが、
多分暦本さん、妄想から言語化につながる過程でたくさんメモしている(はず)。

 

なぜなら本書のタイトルをもう一度見てみよう。

「妄想する頭 思考する

そう、手を動かして考えよと言っている。
本当の天才が、だ。

 

むしろ凡人の私たちこそ頭だけで思考しているのではないか。
頭だけでなんとかするなよ、と天才は喝破していた。
たぶん、メモなんて天才には当たり前すぎる常識なんだろう。

 

どこかで天才・暦本さんのノートやメモを一度見てみたい^^

 

 

妄想大国復活こそ日本の明るい未来

天才・暦本さんの前提は、

『未来は予想できない。だから1つの正解なんてない』という点にある。

 

もし明確に予測できるなら適切な課題の選択が可能だし、そこにリソースを投下することに合理性がある。100歩譲ってこれまではそうだったかもしれない。

 

でも、やっぱ未来なんてこれからますますわかんないよ。
(かなり意訳です)

 

だから、今までの常識やルールを絶対視していたのでは、イノベーションなんて日本に起きないよ、と。
妄想を潰す社会、ニッポンになっていくぜ、と。

 

しかし、天才は振り返ります。
日本って元々妄想大国だったよね、と。

 

世界に羽ばたくSF系のアニメ、漫画がたくさん輩出された。
日本人は勤勉さだけではなく、そういった妄想も豊かなカルチャーあったやんかと。

 

だからこそ、今は岐路。

その妄想を忘れて、真面目一辺倒になっているから悲壮感が漂っているのではないか。

 

意味とか課題が、とか難しく考えずに、
非真面目にたくましく妄想しましょうよ、と。

 

「最近こういう変なこと考えてるんですけど・・・」

そういうの、僕は大好きだ  by 天才

 

最後に

考えてみると、妄想って人間らしい能力ですよね。
決して計算ではない、想像よりもっと深くて広い心の領域でムクムクとうごめくもの。

 

思考について、書かれた本書ではありますが、
実は暦本さん、こう言っています。

 

「政治家になるにはどうしたらいいか?」と言う相談に対して、
「すぐ立候補しろ」と。

 

そう「思ったら動けよ」なんです。
思いついたら即、手を動かそうぜ。
なんなら本当にやりたいことって、すでに手を動かしていることにある。

 

天才暦本さん、ロックでした^^
ロックな思考に触れたいなら読むべし。

 

 

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