対象との距離の自覚が、ストレスフリーへの第一歩です。
最近ストレスを溜め込んでいる。
そんな時は、距離感というキーワードをじぶんの中に持ってみてはいかがでしょうか。
日常の場で、仕事の場で。
ヒト、モノ、コトや感情との距離を能動的に調整していくことをぜひお試しください。
たとえば、今いる部屋が急に真っ暗闇になったら不安になりますよね。
視界を失い、周囲の壁やモノとの距離感が分からなくなるからです。
たぶん、ぼくらは両手を使って壁やテーブルをぺたぺた触って距離感を確かめる行動をとるでしょう。
対象との距離を確認できると、ぼくらはじぶんをしっかり保てるようになります。
ためしに。
いま周囲にある壁や天井、テーブルや本、パソコン、そばにいる人との距離感を手をのばしたりしながら確かめてみてください。
あぁ50センチぐらいだな、とか。
なんとなく適当でかまいません。
手が届かない場所は、目視というか意識の上で計る感覚でOKです。
そんなふうに周囲との距離感を確認していくと、なにかじぶんがしっかりしてくる感覚になってこないでしょうか。
それは心地よくじぶんを保てている状態です。
周囲との距離感を能動的に自覚する。
これが第1歩。
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ステップアップとしては、距離を能動的に「離す」ことです。
明日、ちょっとコミュニケーションをとりたくない相手が近づいてきたら、さり気なく遠くに距離をとっていけばいいのです。
武道でいう間合いです。
じぶんで調整するのです。
もちろんそれはヒトだけが対象ではありません。
もし今なにかストレスになっている対象があるなら、自覚的に離れてみる。
お酒やたばこをやめたいなら、じぶんから遠ざける工夫をしてみましょう。
続けるか、やめるかの二者択一だと0か100かで精神的にストレスになります。
第三の道があります。
ゆるやかにそれをじぶんから離してみる。
ぼくは30歳のとき、それで禁煙に成功しました。
カフェインやアルコールを抑えたいときも同じです。
対象との距離を「離す」ことなら、割とコントロール可能なのです。
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最近の大学生の悩みのひとつは、集中できないことです。
主な原因はどうやらスマホへの依存。
どこかれ構わず暇さえあればタバコを吸っていた昭和世代のように、いまやちょっと手が空くと、ポケットからスマホを取り出して眺めてしまいます。
SNSはたしかに興味を刺激するので、見てしまうのは分かります。
いろんな情報や人とカンタンにつながる世界は居心地いいですよね。
一方でハマりすぎると学業に支障をきたします。
日々学生をみていると、スマホ依存への弊害が社会問題化してくるのは必至かと思われます。
相談してきた学生には、スマホとの「距離を離す」ことをおススメしています。まずはスマホをポケットからカバンの中にする。
勉強する際には別の部屋に置く、というように。
スマホとの距離を遠ざけるだけで、自然と目の前に集中できます。
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断捨離ブームが以前ありましたが、ぼくもいろいろ試してみて思います。
それ、完全にやめなくていいのかもしれない。
それ、ムリして捨てなくてもいいんじゃないかって。
なにもかも全捨て!とか、無理にじぶんを追い込んだりするとなかなかのストレスになります(経験上)
ちょっと見えないところにゆるやかに離すだけでいい。もちろん不要になれば自然と手放せるでしょう。
そんな簡単に抹消できないこと、捨てきれない感情だって多々あるのです。少し距離をとるという選択もあるのだと思ってください。
そういえば、ぼくは毎日ノートに日記を書いているのですが、日々の感情や執着のようなものを書き出す(=外に放つ)ことで、じぶんから離しているんだと思います。
距離をじぶんなりに調整してみる。
ストレスフリーへの手札として、お試しくださいね。
それでは、また。