実は先日、人生で初めてのコロナ風邪に罹っておりました。
(現在は無事に復活しております)
そして、この出来事は結果的にぼくの中にある「成長の定義」を変えることになりました。そんなお話です。
そもそも「成長」とはいったい何でしょうか?
これまでぼくは大きくなること、拡大こそが成長なんだと思って生きてきました。
経済成長という言葉通り、かつて日本の高度成長期なんてモノをどんどんつくり、増やせ増やせ、もっともっとという時代もあったわけじゃないですか。
子どもの身体が去年より大きくなる。
「大きくなったねぇ~」
まさにあれこそが成長の定義。
だと、思っていたんですよ。
でも、成長という概念を今さらながら見直す出来事が寝込んでいたさなかにありました。
学びというのは、いつどんなタイミングでやってくるかなんてわかりませんね。
備忘録的に残しておこうと思います。
*
まずことの経緯から。
残暑が残る9月の某日、急に悪寒がしだして、今までにないのどの違和感を感じたので、ふと近所の耳鼻科で検査をしてもらったのです。
「ハイ、コロナでちゅね~(と聞こえた)。」
医師から軽く告げられた瞬間、最初はまさか、と思いました。
あれだけ体調管理には気を配っていたのに。「免疫を上げる」というキーワードは常にぼくの関心ランキングTOP10に入っていたほど意識していたのに。ヤクルト○○○○飲んでいたのに。様々なことが頭をよぎります。
次第に、怒りが湧いてきました。
なんで?いったい誰から?じぶんに?ともはやベクトルの定まらない感情。
帰宅して、家中を換気し、小さな仕事部屋に引きこもりました。
通常であれば、さっとジャーナリングして感情を整理するところですが、ほんとうに熱があって体調悪いときはさすがにムリです。。。
家族への感染だけは避けなければと、なんとか落ち着いてネットで情報収集し、極力部屋から出ない数日間を覚悟したのです。
結果的には丸3日間、引きこもり生活を送りました。
幸いなことに熱は1日半程度で下がりましたが、鼻水と咳は治まらず、収束まで3日かかったというわけです。
今まで当たり前のように家族の顔を見ながらふれあいながらコミュニケーションを取れていたことができない。家族にも心配や迷惑をかける始末。
いかにふつうな日々が幸せなのかを思い知りました。
そんな引きこもり生活のさなかです。
部屋で寝込んでいたとき、わが子(次男君8歳)がドアをトントンと叩きました。
部屋に入れるわけにはいかないので、ドア越しの対話です。
「パパにデザートを作ったよ。置いておくから食べてね。」
デザートを作った?今までそんなことしたことないのに。
いつもゲームだけには夢中な次男君、いったいどうしたのだろう?
ドアを開けると、そこにはある食べ物が置いてありました。
スイカのシャーベットでした。
これがめっちゃ美味しかったのです。
シャーベットの冷えた感じが熱のある体に心地よくて、スイカというクセのない薄味が飲み込みやすい。
のどを上手に冷やしながらとけてすべり落ちていく感じがとてもいいのです。
あとで、どうしてスイカシャーベットを作ってくれたの?と次男君に聞きました。(ちなみに彼はチョコレートが大好きです)
夏のやさいといえば、スイカ。
スイカはむかしから熱を下げるたべものって、先生が言ってた。
パパお熱あるでしょ、だから。
(本当は妻のアドバイスもあったと思いますけど)
・・・感心いや感動、大量に鼻水、いや涙です。
彼は一人では買い物に行く勇気がまだないので、お姉ちゃんに付き添ってもらってわざわざスーパーにスイカを買いに行って作ってくれたようでした。
ちなみにスイカは調べると超優秀な食べ物です。
・シトルリン(血管を柔らかくするそうです)
・カリウム(むくみを減らす)
・リコピン(老化を防ぐ)
・ビタミンA、C、B6(免疫力UP)
・熱冷まし、酒の害を減らす
と、すごくないですか。
ほとんど水分でしょ、という感覚は間違いです。
*
まだ8歳の彼。
心から成長したなぁと思ったのです。
しかし、これって何かが大きくなったわけでは決してないのです。
むしろ目の前にある小さなことや人にちゃんと目を向けて、気づけるようになること。そして、周りの協力を得ながら行動に移した。
必ずしも外に外に拡大していくことだけが成長の概念じゃないんだ。
内側でなにかに気づけるってことも大切な成長じゃないか。
ぼくはコロナに罹って怒りやマイナス感情ばかりが湧いていたけど、次男君から大切なことを学べました。
大きくなることだけが成長じゃないんだ。
小さなことに気づけるようになること。
ちゃんと感じ取れる人間になること。
これからの時代にこそ大切な成長の定義じゃないかと思います。
ちなみに、次男君の作ってくれたスイカシャーベットのおかげで熱は下がりました。
病というのは、決して嬉しいことではないけれど、そこから大切な何かに気づけることもありますよね。
それでは、また。