人生を楽しく生きるために必要な力を1つ挙げるとすればなんでしょうか?
私はこう思います。
「自分で問いをつくる力」だと。
なぜ、問いをつくる力なのか?
私たちの脳は、質問されたものに答えようとするからです。
例えば、ある好ましくない出来事に対して、
「なんでこうなんねん!?」
と問えば、誰かのせいにしたくなります。
そうだ、あいつが悪い!とかいう答えが浮かびます。
でも、
「この出来事は私に何を伝えようとしているんだろう?」とか、
「この出来事から学べることはなんだろう?」と問うてみましょう。
すると、何かの教訓だったり、未来に繋がる選択をすることが可能です。
もう20年近く前の昔話ですが、
私は財布とケータイを盗まれ、銀行口座にあった100万円以上の財産を失った経験があります。
酔っ払って電車に乗り、寝てしまった隙にカバンの中身を持っていかれたのが原因でして、
当時、1週間後に転勤で東京から大阪に引っ越すため身分証明書や役所関連の書類もすべてカバンに入れてある最悪のタイミングでした。
当時銀行の暗証番号もそこから推測できる単純なもので・・・
事態が分かった瞬間、交番でワナワナ震えが止まらなかったです。
都会のど真ん中で身ぐるみ剥がされたわけですから。
その後会社の役員たちに怒られ、呆れられ、上司や仲間に頭を下げてお金を借りて、なんとか大阪に行きました。
当時は「なんでこうなったんだ!?」と自分と誰かのせいにしてばかりで仕事どころでなく落ち込んだままの大阪スタートでした。
しかし、しばらくしてから地下鉄御堂筋線の車内でふと思ったのです。
「一体この出来事からオレは何が学べるんだろうか?」と。
この問いが浮かんだ瞬間、目の前がパッと開けたような気がしました。
答えはすぐ見つからなかったけど、一瞬で前向きになれたのです。
よく「前向き」とか「後ろ向き」とか言うけど、
それは性格とかコントロールしにくいことを指すんじゃなくて、
「前向きな問い」と「後ろ向きな問い」があるだけなんじゃないかと私は思います。
問いなら自分次第でいかようにもつくり出せます。
もう一度言いますね。
私たちの脳は、質問されたものに答えようとする。
つまり、楽しい人生を送りたいなら、楽しめる問いかけを工夫すればいい。
状況や出来事が私たちの人生を左右するのでは「ない」のです。
日頃から、どんな問いかけを自分に投げかけているか?
それが人生の楽しさを左右していくのです。
大学の授業でも学生たちにこのことを時々話していたわけですが、
何人かは目がキラッとするものの、結構ポカ〜んとされます(笑)。
そりゃ仕方がないのかもしれません。
だって、今までずっと「問いは用意され、答えを探しなさい」と言われながら育ってきているわけで、いきなり問いを自分でつくろうぜ、なんて言われても「?」となるでしょう。
でも、諦めずに若い人にはこの力の大切さは要所要所で伝えていこうと思います。
学問とは「問い」を「学ぶ」こと。
問いを考え、作り出すのは実は楽しい知的作業です。
そして、人生を変えていくパワーがあります。
このライフスキル、いつかわかると信じて。。
『どうしたら、明日をもっと楽しめそうですか?』
それでは、また!