企業経営者の話をひたすら聴く。
ぼくはそんな仕事もしています。
長時間人の話を聴くってなかなか疲れるものです。
でも、ぼくなりの疲れないコツがあります。
今日はそんな話を。
経営者への仕事とは、コンサルティングともカウンセリングとも違う、ひたすら聴いて、紙に書き出して思考の整理をお手伝いするというパーソナルな内容です。
求められなければアドバイスもしません。
聴いて、書いて、整理していくだけ。
結果的には、絞られた課題とキーワード、次へのアクションが端的にまとめられます。
経営者というのは、夢や希望、会社の方向性、新サービスのことから(社員のグチまで)いろんなものを抱えています。
同時に、気軽に、さえぎられることなく、かぶせられることなく最後まで話を聴いてくれる存在ってなかなか周囲にいないんですね。
なので、ぼくのような存在は時々都合がいいらしい。
しかも外部の人間なので、敬意を払いながらも、ふつうに「社長、たぶんこう思われているかも」なんて平気で言えます。
経営者がひと通り話して「頭が整理されたなぁ」と言われたらOK。
要は傾聴です。
この最大のメリットは、他者に依存せずに解決策をじぶんなりに自動的に生み出していけること。
ぼくはただただ聴いて、紙にメモして見せているだけです。
*
数年前までは、全身全霊でどっぷりと聴いていました。
時間にして1時間、長いときは3時間近く。
問題は、傾聴って終わったあと、心身がぐったりと疲れることなのです。
身体が妙にズッシリと重く感じる。
その理由を考えてみました。
経営者の話って軽い話だけではなく、やっぱり重たい話が多いからです。
ひとりの人間が複数の「思い通りにならない」存在を雇っている。
雇用って本当にすごいことだと思います。
経営者の関心は「カネ」と「ヒト」。
この2つに集約されていきます。
そして両方とも、陰と陽、表と裏がある。
真剣に経営をしているからこそ、時にディープなネガティブオーラに包まれることだってある。
そんな話を赤裸々に聴き続けていると、ピュアなぼくの心身はぐったりするわけです。
帰宅すると、こんなふうに。
*
「バカ正直に受け止めて傾聴していては心身がもたないぞ。」
さて、どうしたらいいか。
いろいろと工夫の末たどり着いたヒアリング法。
ズバリ結論を言うと、
どんな話だろうが、こころの中ではキレイな風景を思い描いていること。
これだけです。
ぼくの場合、渓流のせせらぎやキレイなお花畑、南の島のビーチなどを思い描きます。好きなお花とかもオススメです。
どんなにネガティブな話だとしても、どんなにドロドロした人間関係の話であっても、ぼくの心の中ではこんなイメージで聴いているわけです。
「そうなんですね・・・ふむふむ」(こころの中は、南の島ヒュ〜^^)
そうやってヒアリングしていると、ほぼ疲れないのです(笑)。
コストゼロ。
ただ自然やきれいなものをイメージしながら聴くだけですから。
でもリターンは大きいのです。
なんと疲れないだけでなく、相手にも元気を与えられる(ような気がしています)。
ここからは、経験からの仮説です。
人って、きれいな自然をみた時、どんなじぶんになっているでしょうか。
リラックスして心身がオープンになっているはずです。
そんな波長の人と一緒の空間に一定時間いると、たぶん同調していく。
他人のアクビを見ると、じぶんもアクビがしたくなるように。
上司のイライラが、職場全体に広がるように。
でも、リラックスや笑顔もまたたく間に伝染するものです。
そんな経験だれしもあると思います。
たぶん理屈はそれ、です。
「きれいな◯◯」をこころに思い描きながら、相手の話を聴いてみましょう。
あなたの場合、何をイメージしてみますか?
あなたがきれいなものを想像しながら相手の話を聴くだけ。
それでプラスのエネルギーが相手と共有できるとしたら、その時間って価値ありますよね。
それでは、また。