かまいたちのコントで、
「一旦、逆の立場で考えてみ?」というフレーズが出てくるやつがあります。
ご存知ですか?
「一旦逆の立場で考えてみ?もしオレが謝ってこられて来ていたとしたら、絶対に認められてたと思うか?」
途中からわけがわからなくて笑いになるという内容です。
この「一旦逆の立場で考えてみ?」という言葉。
仕事でも暮らしにおいても、人間同士の営みでなにか行き詰まった際には、一旦どころか、何度でも思考を通しておきたい実は黄金のフレーズ。
今回、改めてそう思う機会に恵まれました。
*
その機会とは、某大学の3回生を相手にした就活の面接講座。
別に私は面接の達人でもなければ、就活事情に詳しい人間でもありません(笑)。
今年に入って不思議と「こんなのできます?」と色々問い合わせを頂きます。
まったくイメージできないものでなければ「できます」と受けているのですが、今回は学生への面接講座。
会社員時代に採用面接官をした経験だけはありました。
なんでも経験しておくと後で活かせることってあるものです。
内容はお任せで、色々思案したのですが、巷の就活本に書かれているようなことを言ったところで私がやる価値がありません。
そこで、ふと浮かんだのが冒頭の「一旦逆の立場で考えてみ?」でした。
採用する側の真実を中心に話してみようと。
それならやっていたから本当のことを言えます。
学生にとっては逆の立場を知ることで、自分が何を準備し、どう振る舞えばより結果につながるかが見えてくるんじゃないか、と。
真実その1:面接官は、ほぼ素人である
当時、営業という役割を担いながらある日人事の人から「ヘルプ!」と駆り出されるのです。「まぁこんな感じで〜」と結構テキトーな頼まれ方だったりします。慣れないうちは面接なんて、やる方もなかなか緊張しています。学生の熱量に負けないよう気を張っているので、終わったらぐったり。
そんな私が、たかが数分間の面接で相手の能力や可能性なんてわかりません。
世の多くの面接官だって同様でしょう。
一般的な企業の中で、そうそう面接のスペシャリストなんておりません。
あなたと同じように、日によって調子がよかったり悪かったり、いろんなことで悩んでいたり、上司に怒られたり、お客さんに怒られたり、彼女にフラれたばかりのちょっと先輩が面接をしているのです。
真実その2:面接官は敵じゃなくて味方
とはいえ、面接官には明確な目的があります。
「我が社の成長を作ってくれる仲間になれるかどうか見極めること。」
こいつを落とそうとか、評価してやろうという気持ちではないのです。
できれば採用したいのです。
採用したくなる理由を示してくれ!そんな気持ちでいるものです。
なぜなら、目的だけでなく、面接官には目標もふられます。
何人を通過させてね、的な。
目標はなんとしても達成したい。
そうでないと、面接官としての自分の評価を下げますから。
気持ちの基本にあるのは、「あなたを通過させたい」なのです。
面接官は、あなたの敵じゃなくてむしろ味方なのです。
真実その3:面接の勝負どころ
これは人によるかもしれませんが、私の場合は座る前、あるいはパッと見の最初の数秒でした。
つまり、喋る前にほぼ勝負あり。
第一印象が大事、見た目が9割とは、まさにこのこと。
ぱっと見で「アリ・ナシ」が仮説として決まります。
あとは、その人の話を聞きながら根拠探しをするという時間でした。
しかも、話の内容は半分で、あと半分はどう話しているのか。
ノンバーバルな部分が大きく影響していたと思います。
マジメな顔してマジメな話をしているのが、最も通しにくかった。
やはり笑顔と姿勢のよさ、この2つが通るポイントでした。
この2点はかなり好感度に影響するのです。
面接官だって人の子です。
自然な笑顔で目線を合わせてくれる人に親近感を持つもの。
でも、意外とみんな緊張してか、この大切な2つがなかなか伴わない。
日頃からやっていないとできないものです。
もったいないな〜と思うことが多々ありました。
*
講座ではそんな面接官の真実を伝え、想像してもらいました。
「え、そうなの?」
「え、そこ!?」
本質はいつもシンプルです。
大事なのは、「笑顔」「姿勢」この2つは、今からいくらでも練習できるということなのです。(ちなみに面接だけでなく、社会人になってもこの2つはずっと強力な味方!)
どちらもふだんの暮らしの中で鍛えられること。
姿勢よく笑顔でいる。
そんなシンプルトレーニング。
実際、面接がいつ頃から始まるのか正直知りません。
でも、気づいた今日から始めた人こそ結果が掴めるのだと思います。
チャンスは改まった場に落ちているのではなく、日常の暮らしの中で育てていくものなんじゃないか。
その暮らしの延長にあるのが、面接という場。
「ぜひ育てていった自分を面接の場に持って行けるようにね。」
そんな締めくくりでした。
届いたかな〜。
それでは、また!