大阪には美味しい食べものがたくさんありますが、ぼくの中で密かにソウルフードだと思っているひとつが「インディアンカレー」です。
ふと数年食べていないことに気がつきました。
5年ぶりぐらい、でしょうか。
その「インディアンカレー」が衝動的に食べたくなり、仕事で外出した際に西梅田の店舗に寄りました。
久しぶりの訪問です。
店構えはあの時と同じでした。
周辺の店舗はずいぶん様変わりしていました。
のれんをくぐり、注文します。
「カレーふつうで。」
手際よく盛られたカレーはものの数秒で目の前に差し出されます。
そうそうこのオペレーション。
さっそく一口いただきます。
甘さの後にやってくる絶妙な辛さ。
「ああ、うまい(これこれ)。」
*
味と共に、昔の記憶がよみがえってきました。
まるで失恋した際によく聞いていた曲を久々に聴くと、当時の思い出がよみがえってくるアレと同じです。
(ちなみにぼくは竹内まりやを聴くと、ウッたまりません・・)
かれこれぼくとインディアンカレーとの出会いは20年ほど前にさかのぼります。
当時、提案書をなかなか上手に作ることができず、深夜までかかって何とか作ったものが次の日の朝、上司からダメ出しされる日々を送っていました。
仕事の悩みばかりありました。
「このまま30代になってオレってどうなるんだろう・・」
その合間に、よく「インディアンカレー」に通っていたのです。
落ち込んでいても、なんかちょっと元気出たんですよね。
あの甘さと辛さがじぶんを応援してくれていたように思えたのです。
もうちょっと頑張ってみようやって。
*
あの頃、不器用ながらかじりついて頑張っていたよな。
このカレーに励まされたんだよなぁ。
ちょっと涙が込み上げてきました。
辛いから?それとも昔を思い出して?
じぶんでもなんだかよくわかりませんが、鼻水も豪快に垂れ始めました。
いい歳したオッサンが涙と鼻水を垂らしながらひとりカレーを黙々と食べる姿。
(決してキレイな光景ではありません)
食べ終わり、コップの水をグッと飲み干しました。
水が空になった瞬間、目の前のおばちゃんが即座に水を注ぎ足してくれます。
これもインディアンカレーならではのサービスです。
水を注ぎながら、
「あんた、がんばれよ。YESやで!」
そんなふうに言われたような気がしました。
(ホント気がしただけです)
「ごちそうさまでした。また来ます。」
夜の西梅田をぼくは颯爽と歩き出しました。
インディアンカレーはやはりぼくの中でソウルフード。
あなたのソウルフードはなんですか?
それでは、また。