もっと自分を生かしたい人へ。
「その時その時の思いはノートに書き残しておきましょう。」
若い人へよくする私からのアドバイスです。
「あとできっと役に立つから。」
解説します。
あなたの「ほんとう」しか伝わらない時代
だから、です。
長年研修で講師をしてきてわかったのですが、テキストに書かれているようなことはいくら熱をもって話しても、相手の頭には悲しいほど残っていません。
でも、休憩前後のフッとリラックスした私が「余談」として話す
「正直なことを言うとね・・・」
「実はね・・・」
「ここだけの話・・・」
そこが一番刺さります。
聞き手の表情が変わります。
最後のアンケートにも書かれます。
「余談サイコー、ためになった」って(笑)。
なぜでしょう?
一般的に正しかったり、優れていると言われるアイデアとは違い、
「わたしが」純粋に思う”ほんとうのこと”だから。
SNSも意図が透けて見える投稿よりも、
その人の素で書かれた本心の言葉に「いいね」したくなりませんか。
ほんとうのことしか伝わらない時代なのです。
自分が体験したこと、感じたこと、発見したこと、考えついたこと。
これこそ私にとっての実態のある情報であり、経験です。
今思いついたことや感じていることは貴重な思考の材料なのです。
自分の内側にある情報は、拙かったり、カッコ悪いものです。照れるし。
だから、アウトプットせずに封じてしまいがちです。
恥ずかしいから、私たちはすぐネットに向かって情報を集めはじめます。
だから「なんかどっかで聞いたような」借り物の言葉ばかりになる。
伝える方も、実感がないから実は言葉が上滑りしている。
一見スマートで組み立てもよく、優秀な人に思われるかもしれない。
でもそこに、あなたのオリジナルなアイデアは、ないのです。
そんな思考スタイルで時を重ねるのは、振り返った時に寂しく思わないでしょうか。
少し残念です。
自分の内側にあるアイデアをアウトプットするのは慣れないと苦労します。
試行錯誤の末、レベル低いと言われるかもしれない。
必ず何かアイデアが生まれるとも限りません。
でも、自分自身のオリジナルのアイデアを信じていい。
たぶん、それが許可されているし、大切な時代だから。
みんな、あなたの純粋なアイデアが聞きたいのです。
じぶんの「ほんとう」の見つけ方
沈思黙考していても進みません。
3つのメモ書きアプローチが有効です。
その1:素直な自分と向き合う日記的メモ(おすすめ3行)
その2:共感と違和感をメモ(可能な限り、瞬間瞬間で)
その3:ノートを暇さえあれば見返す(アイデアは書き込む)
その1:素直な自分と向き合う日記メモ
言うまでもなく日記です。
3行というか、箇条書き3つ程度で3分以内で書きます。
「ある事実→どんな解釈」基本はこのシンプルな2ステップです。
誰に見せるわけでもないので、素直な自分の解釈を書きます。
正しいとか間違っているは無視します。
いい人になる必要もありません。
じぶんが日々どこにフォーカスしているのか、
どんな解釈のクセがあるのか、傾向が見えてきます。
面白いのでよかったら3日、できれば3週間書いてみてください。
その2:共感と違和感をメモ
まず日頃から紙とペンを持っている必要があります。
日々仕事し、暮らしていると必ず「いいね!」と「んん?!」に出逢います。
そのシーンとどこに共感や違和感を感じたかをただメモしていくのです。
例えば、共感について。
昨日妻と久しぶりに某回転ずし屋さんに行きました。
チェーン展開しているところなので、値段も安価なところです。
ん?なんか空間が楽しく感じるのです。
気づきました。
注文したものが運ばれてくる際、鬼滅の刃の主人公炭治郎の声で
「もうすぐ届きます!」と元気に言われるのです。
聞き覚えのある声が店員の一人かのような仕掛け。
ましてや今、大人気の声です。子供も食いつくポイントでしょう。
声って大事。飲食は5感で味わうもの。
すかさずそうメモしました。
そんなささやかな共感って色々転がっているものです。もちろん違和感も。
お笑い芸人が面白いことに遭遇したらすかさずネタ帳に書き込むように、
「お、いいね!」「へんだぞ」をメモしストックしていく。
点と点が結びつくようにアイデアが生まれてきます。
失敗や恥ずかしいことは最高のネタ。
自分で言うのもなんですが、面白い人になりますよ。
誰しもアイデアの材料を一度は目にして経験しているのです。
しかしメモしておかないと、そんなダイヤモンドの原石を忘れていくのです。
もったいない!!書いておきましょう。
その3:ノートを暇さえあれば見返す
いつもパラパラ見返しています。
電車乗っている時、カフェで。もちろん自宅でリラックスしている時にも。
その時の感情やコンディションが違うと、違った受け止め方(解釈やアイデア)が出てきます。
それが面白いのです。
「なんで、あんなにイラだっていたのかな?」
他人事のようにみることができます。
こうすればいいんじゃないか?と他者にアドバイスするようなアイデアが降りてきます。
点と点が結びつくのも、見返している時です。
ペンを持ってアイデアを書き込んだり、線で結んだり。
材料があればあるほど、組み立ては容易になります。
(ロジカルシンキングが必要になるには実はこの段階です)
「純粋なアイデア」が生まれる瞬間です。
「そう、こういうことがやりたかったんだ」という開眼はノートから生まれます。
私は幾度もここで新規サービスのアイデアが生まれました。
そういえば独立の決断もノートから、でした。
書いておいて損はありません。
あなたのノートが本当に役に立つ時
それは、あなたがピンチになった時です。
過去のあなたが書いたメモが励ましてくれるのです。
辛い時、やるせない時、不安な時、疲れた時。
やれることはもうない。
もう万事休す。天を仰ぎ見たくなる瞬間が誰しもあります。
そんなとき、ノートを開くのです。
そこには過去にあなたをブロックしていたものやハードルになっていたものを、あなたがどう乗り越えたのか、アイデアやヒントが蓄積されているでしょう。
過去どんなに辛いことがあっても、乗り越えてきたからこそ、あなたは今ノートを開いているのです。
そこにはどんな言葉が書かれてるでしょうか。
私は自分のノートに何度も励まされました。
(自分が書いたものなんですけどね)
ノートはあなたが唯一心を開けるツールでもあり、
あなたを前進させるアイデア製造機でもあり、
いつか自分が挫けそうになった時に支えてくれるコーチのような存在です。
だから冒頭に戻ります。
「その時その時の思いを書き残しておきましょう。」
もう一つ。
ぜひ未来の自分がいつか読み返すことを想定して書いておきませんか。
じぶんの言葉は胸に届くはずです。
「大丈夫、あなたなら乗り越えられる!」と。
書いておくと、あとできっと役に立つ。
これは本当です。
それでは、また!