「夢であってほしい・・・」
人生でそんなに使わないであろうセリフが自然と出ました。
2022年8月1日の朝。
愛用のMac Book Airをひらいたぼくは、デスクトップに置いていたはずの作成途中のパワポスライドが見当たらないことに気がつきました。
あれ、まさか、ね。
なんかやたら画面がスッキリしているな・・・
ん?そういえばあのエクセル資料もない・・・
ええっ!全部消えてる!!!
ゴミ箱にも何もない。
パワーポイント、エクセル、ワードのファイルが全て、忽然と姿を消していました。そんなこと、あるのだろうか。
30秒ぐらい画面を見つめて呆然としていたと思います。
そういえば、かつて一緒に住んでいた彼女がある日突然「さようなら」と置き手紙を残して姿を消したことがあったな。
ぼくの中ではとっくにデリートしていたはずの遠い記憶がバックアップされてきました。その時の感情に近い、なんというか言いようのない分からなさと共に。
待て待て、落ち着け。
夢であってほしい。
しかし、どこをどう見てもないものは、ない。
少し冷静さを取り戻したぼくは、まず仕事に支障のあるものが何か把握することに努めました。
ラッキーなことに、ちょうど納品すべきものをし終えたばかりで、緊急的な問題はないことにホッと胸をなでおろしました。
よくよく考えると仕事に活用するファイルは、基本的にクラウドに入れてあるか、関わるパートナーたちと共有するようにしています。
なので、困ることはほとんどない。
ぼくは完全に落ち着きを取り戻していました。
*
消えた原因はわかりません。
いろいろ調べてみようと思います。
しかし、月の始めに起こったこの事実をどう解釈するか。
そこって大事なんじゃないか?
何かのメッセージなんじゃないの?
と胸のうちで聴こえてきたわけです。
何となく、紙に殴り書きした言葉は、
「変われ。」
「変わるためには、持っているものを捨てること。」
「一度頭の中を空っぽにしてみよう。」
そう、ふりかえれば今年入ってからの仕事は結局、今までの蓄積の上でしかやっていない。それはたしかに仕事の安定、安心を担保する。
でも、反面いつもどこか奇妙ないらだちやストレスがあったのもたしか。
過去に執着しているのが、正直つまらないんですよね。
「本当はもっともっと思い切ったチャレンジがしたかったんじゃないの?」
そんな内面の本音がメラメラとはじき出されてきました。
Macがそんなぼくの内面に隠された本音を引き出すためにファイルを消したとは到底思えません。
しかし、8月1日という節目に起こったアクシデントは大きな気づきをもたらしてくれたのです。
んなわけない。でも・・・
*
空海は、「捨てるものを捨てないと、自分の道は歩けない」という言葉を残したそうです。
立原正秋は「春のいそぎ」という小説の中で、「頭を空にすれば悩みはおのずと解決できるものを、頭に知識を詰め込むから、ますます悩みが増える」と書きました。
<変える>とは、変える前のものを捨てることなのです。
空気を胸いっぱい吸おうと思ったら、まず、胸の空気を思いっきり吐き出すことが必要。吐き出して空っぽになれば、あとは自然と空気が入ってくるわけで。
頭も同じ。
今や仕事をする上では、頭と同じ位置付けにあるパソコンも同じでしょう。
前に進みたいなら、一度頭を空っぽにしてみる。
そうしなければ、<変える>なんてできっこないんだから。
そんな解釈をしながら、今回の出来事はアクシデントでもトラブルでもなく「最高のギフト」なんじゃないかと思えるぼくがいました。
やや強制的ではありますが、すべてを1から考え直せる夏になりそうです。
変わるため、前に進むためには、まず「捨てる」こと。
よかったら、ご自身に置き換えてみてくださいね。
ご参考までに。
それでは、また。
PS,
この出来事はMac製品の品質うんぬんに言及したいわけではありません。
おそらくメモリを空けるために、色々操作していた中で誤ってファイルを削除してしまっただろうと考えられます。
ぼくはこれからもMacを使い続けますので。