・人に会うのが疲れる
・本や書類を読んでも頭に入ってこない
・ブレやすい自分をなんとかしたい
そんな悩みを抱えていませんか?
実はちょっと感覚的なのですが、簡単な解決方法がありました。
キーワードは、「距離感」。
解説します。
私たちは間合いをとって生きている
以前、俳優の武田鉄矢さんが自身のラジオでこんなことをおっしゃっていました。
「コロナ用語ってさ、なんでカタカナばっかりなの。
ソーシャルディスタンスって、あれ日本語で言えば”間合い”だよな。」
僕ら日本人って、古来から間合いをとるのがうまい人たちなんだよね。
ほら、渋谷のスクランブル交差点なんて外国人が見て驚くんだから。
たしかに。
私たちは混雑の中を真っ直ぐ歩いているようで、実は真っ直ぐ歩いていません。
四方八方からやってくる人のエネルギーをそれとなく感じて自然とよけたり、方向を変えているんですよね。
対象との間合い=距離感。
これを微妙に感じ取りながら、自分を安定させているのです。
その身体感覚がないと、ガツガツぶつかって進めないでしょう。
(外国人はそうなるみたいです)
なぜ日本人にそんな身体感覚が宿っているのかは、身体の専門家にお任せするとして。
自分がブレずに安定するための一つの方法。
それは、自分の身体と外の世界との「間合い」を明確に持てばいい、となるわけです。
しかし、現代人の私たち。
ソーシャルディスタンスという言葉で意識するようになりましたが、「間合い」とかあまり意識して暮らしに生かすことを知りませんでした。
暮らしに仕事に「間合い」を取り戻してみたいと思います。
さて、いったいどうなるか?
距離感は「目」だけでなく、「身体」でとらえる
以下、本書よりエッセンスをいただき、私なりに解釈を加えて書いています。
まずは簡単なワークから。
①紙に書かれた情報をデスクに置いたまま読んでみる。
②次に、手にとってその情報を読んでみる。
どんな違いがあると思いますか?
やってみると分かりますが、②の方が集中できて情報が頭に入ってきます。
新聞紙なんかがあれば、それで試してみるといいでしょう。
なぜ②、手にとると頭に入りやすいのか?
「腕で」紙と自分との距離感を把握できるからです。
①だと、視覚のみ。
②だと、視覚+腕。
より距離感を明確に持てる方が、客観的にクリアに見えるのです。
私がメモ書きで「気がかりなこと」「モヤモヤ」を書き出して眺めることを推奨するのも同じことかもしれません。
問題や仕事との距離感を持つことで、頭スッキリの状態で書かれたものを冷静に解釈していくことができる、ということと通じます。
特に仕事で大事な情報は、パソコンのディスプレイ上だけで読み取るよりも、
面倒くさいかもしれませんが印刷して「手にとって」読み取る方がいいかもしれませんね。
苦手な人を、私たちはあまり見ていない
観察したい対象がある時には、
距離感を視覚+腕で捉えると、いい。
自分と外の世界を明確に区別できる(距離感を意識する)と、身体は安心するのです。
仕事なら、情報が頭に入りやすい。
よって冷静な判断ができるようになります。
それは苦手な人やものに対する時も使えます。
たいてい、苦手な人が近づくと関わりたくないので、私たちはあまりその人を見ていません。つまり、距離感を自ら失いやすいのです。
言葉を変えると、距離感を失うことで、その相手と自分を一体化してしまうのです。
自分の外側と、自分の内側とを混在してしまう。
だから、他人の機嫌の悪さが移ってしまうとかへんなことが起こるのです。
身体は安心するどころか、ざわざわと落ち着かなくなる。
では、どうすればいいのか?
ポイントは、「距離感を明確に意識すること」でした。
書類のように、腕が使えない場合。
「距離感の棒のイメージ」を試すのです。
相手と自分の間に「見えない棒」を置いたとして距離を計るのです。
あくまでイメージで。
「それは自分の外だ。」
この明確な区別、距離感の認識を持つということです。
「人は人、自分は自分。」この感覚です。
距離感を持つことで、自分を安定させることができます。
大きく変わりゆく時代に必須な技法
ブレやすい時代です。
あまりにも情報に翻弄され、自分の軸がいったいなんなのか?
それを見つけるためにさらに情報にアクセスしていく悪循環。
その悪循環を断ち切るためにも、「距離感」を明確に意識することをおすすめしたいのです。
書類や人だけではなく、
今あなたの居る空間の中で、見えない距離感の棒をイメージしながら
前後左右上下の壁やモノと、自分との距離を意識してみましょう。
なんか自分の中心がハッキリしてくる感覚になりませんか?
自分の内側で軸を立てようと必死になる必要はないのかもしれません。
周りとの距離感を持つこと。
それだけで実は自然とあなたの軸は立ってくるのです。
著者の藤本さんは語りかけます。
自分を見失いそうな時、ブレそうな時。
ぜひ試してみてくださいね。
シンプルでいつでもどこでもできます。
私も時々仕事中にやって自分を整えています。
この書籍の第4章「自分軸のつくり方」に詳細がのっています。
他にもタイトル通り、疲れない身体をつくる技法の数々。
私は目からウロコでした。
それでは、また!