この春も大学にはたくさんの学生が入学し、キャンパスには活気が溢れている。
ひと言でいえば、キラキラしている。
この雰囲気を味わえているだけで、細胞が若返りそうな気分になる。
現実は来月でまた一つ年を重ねるけど。
すでに何かを成し遂げた人たちではなく、まだ何も成し遂げていないこれからの人たちを下支えしようと大学で講師をし始め、早3年が経つ。
今まで自分がビジネスの現場で学んできたこと、経験してきたことを出し惜しみせずこれからの人たちに手渡すつもりで毎回教室に向かう。
今年の春は例年になく心がゆったりしている。
そして昨年同様に、年甲斐もなくウキウキしている。
教える立場の人に大切なのは「いつもご機嫌な人でいる」ことだと思う。
心の中でいつもスキップしていることなのだ。
つくづく自分でも思う。
ちょっといい加減だ(笑)。
そもそも大学の授業とは、教室とはいったい何だろうか。
知識を手渡す場?
インプットの場?
単位を取る場?
どれも間違っていないと思うけど、ぼくの本音はちょっと違う。
もう少し先のことを見据えて意味づけてみたい。
教室とは、あなたが知識を自分事に置き換え、これから世の中にメッセージを発信していくための基地であり、授業時間はその作戦会議なのだ。
そう思っている。
「さて、作戦会議をはじめようか。」
(え!?は?)
そんな表情で、学生たちの目がパッと見開く。
広大で迷路のようなキャンパスの中を苦労して教室にたどりつき、初めての授業への不安や緊張の中、講師が放つ言葉が「作戦会議」。
そう、大学というのはミステリアスでいいんだと思う。
やがて「なんか知らんけど、この先生面白そう」といわんばかりの表情に変わっていく。
主体的に学びたいと思わせることができたら、ぼくの仕事の半分は終えたようなもの。
ようこそ、この教室へ、君はここにいていいんだよ。
好きなだけ知の深みにはまってくださいね。
入学、おめでとう。
ぼくはこの仕事が大好きだ。