学生時代にもっとも力を入れたことはなんですか?
就活の選考面接において定番の質問、いわゆるガクチカです。
この問いかけに悪戦苦闘する就活生に向けて書きたいと思います。
割と多くの相談をもらいますので、参考になれば幸いです。
どうやら就活生は、より特別な経験を選ぼうとするようです。
なんたって学生時代に「最も力を入れた」こと、ですから。
よりインパクトがあって相手が興味を引くであろう経験をキャッチ―に提供しようとします。
たとえば、
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バックパッカーでアジアを渡り歩いた。
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1回生から法律事務所で長期インターンをしていた。
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部活で日本一になった。
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自転車で日本一周した。
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やまびこ検定やなまはげ検定など面白い資格を30個取った。
たしかに得難い経験というのは貴重です。
そこでいろいろ学んだり、結果を出した、感動した経験はこれからの人生に影響することもあるでしょう。
しかし、です。
キャッチーでインパクトある経験をした学生ばかりじゃないってことです。
かく言うぼくも、相当グダグダな大学時代でしたよ。
学生時代を結構グダグダな毎日を過ごしていた。そんな学生の方がむしろ割合として多いのかもしれません。
人生ってぼくも含めて、そんなに大したことをしていない日々なのです。
これまでも、これからも。
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ガクチカで何話せばいいのだろう・・・
じぶんには何も特別な経験などない
そういった学生たちは、何か話を盛らなきゃって思うようです。
なぜか就活時期になると、急にサブリーダー、副部長が増えるように。
キャッチーな演出をしたそれぞれの物語が面接の部屋で花咲き始めるわけです。
ぼくは、こう思います。
無理して話を盛らなくていい
ガクチカを聴く真意というものを考えるために、この問いを一段抽象度を上げてみましょう。
結局面接官が知りたいのは、「あなたは過去どんなふうに生きてきた人間なの?」です。
求めているのは、決してあなたの派手な物語ではないのです。
ぼくはそんな学生にいつも伝えています。
もしぼくが面接官だったら、という前置きで。
特別な経験よりも、日常の中で何を積み重ねてきたのかを聴きたい。
なぜなら日常にこそ、その人の本質がにじみ出ているからです。
たとえば、じぶんは特別な経験はないけど、
一切人の悪口や不平不満を言わない毎日を過ごしていた。
日々、こつこつ筋力トレーニングを欠かさなかった。
約束を必ず守る毎日を意識して過ごしていた。
ありがとう、の言葉を積極的に言うようにしていた。
毎日、日記を書いてじぶんをふりかえっていた。
それは言うのが恥ずかしいほど、地味で小さな経験のように思われるかもしれません。
でもね、日常の中で、じぶんで決めて「積み重ねてきたこと」こそが、1つの特別な経験よりも、はるかにその人の動かざる人間性をつくっている。
ぼくはそう思うのです。
なにより、積み重ねてきたことにこそあなたのほんとうの自信が宿っているはずです。
採用の面接官をしていた経験から言っても、結局選考では「じぶんを持っている人」を仲間にしたいのです。
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だから、もし就活や転職でなにをアピールしようか、と悩んでいる人がいたら参考にしてほしい。
日常の中でじぶんは何を大事にして生きていたのか。
もし何も浮かばないなら?
大丈夫。
今この瞬間、今日からでいい。
コツコツ積み重ねることを1つ決めてみてはどうでしょうか。
素直に大事だよなぁと思えることを1つ。
で、早速行動を積み上げていきましょう。
その際に、小さな勇気を出してくださいね。
積み重ねる際に、必要なのはちょっとした勇気です。
その勇気をもって小さな実績を「今日」作るのです。
じぶんの生き方は、気づいた瞬間から変えていける。
そんなエピソードを素直に話してくれる学生にも十分チャンスはあると思います。
なにか参考になれば幸いです。
それでは、また。